講座4小麦の風味
⑤アミノ酸はパンのおいしさに貢献しているの?
アミノ酸といえば旨味の素になる物質(「味の素」が代表的ですね)。 小麦にも存在していますが、それは発酵によって増えているのでしょうか? また、パンを食べるとき旨味はするのでしょうか? 旨味についての興味深いデータをお目にかけます。
アミノ酸が閾値を超えないということは、アミノ酸について考えることは無駄なことでしょうか? 講座を通じて見てきたように、アミノ酸は、メイラード反応の材料になるため、パンの香りと大きく関係があります。 アミノ酸が多ければ(糖の量によるが)メイラード反応が活発になり、たくさんの香りを作りだします。 おいしさにもつながれば、雑味になることもあるでしょう。 アミノ酸の種類は、どんな香りが出てくるかを大きく左右するでしょう。 どのアミノ酸を含むかは品種による傾向があり、これが品種ごとにパンの味が異なる理由になっています。 どのアミノ酸があるから、どんな香りが出る、というところまでまだわかっていませんが、そうしたことも解き明かされたら、ますますおもしろくなりそうです。
●次号に続きます。