2019年1月号のメニュー
1 『日々之精進』第2回 橘和良(カドヤ食堂)
2 『武蔵野スローフード宣言!』第12回 岩澤正和(ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ オーナー)
3 『カタネQ&A』第23回 片根大輔(カタネベーカリー)
4 『勝手にお宝鑑定団』no.023 栄徳剛(ブラフベーカリー)
5 『新麦ニュース』「十勝・中川さんのキタノカオリヤングの話」 池田浩明(パンラボ)

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カドヤ食堂・橘和良の
「日々是精進」

大阪のカリスマラーメン店主、
橘さんの連載第2回。

第2回「ラーメン屋開店!」

故郷の味、播州ラーメン
1年間、妻の実家の食堂をつづけながら週1回ラーメン定食をやって、スープとチャーシューの実験をしてました。
干しエビを大量に使ってダシをとったり、いりこを使ったり。
豚ばら肉をさっとわかしたのをのせた肉うどん風のラーメンだったり。

2001年の11月からラーメン屋としてオープンしました。
そのとき出したのが、播州ラーメン。
ふるさとが兵庫県播州。
そうめん「揖保の糸」で有名なところです。
ここに播州ラーメンというカテゴリーがありまして。
お砂糖使った甘いめのスープの醤油ラーメン。
そのあたりは繊維工場が盛んで、女工さんが多くいて、甘味処がたくさんある。
女工さんの口に合わせた中華そばが発祥だと言われています。
養鶏も盛んで、卵を産みたおしたあとのヒネ鶏から、しっかりしたダシをとる。
富田林の鶏も使ったことがありますが、田舎に帰って食べたらやっぱり播州の鶏がよくて、結局そっちを使うようになりました。
脂にクセがあるので鶏油は使えませんが、身から深いダシが出る。
澄んだ醤油スープに、シンプルにもやしとネギとチャーシュー。
食堂だった証をなにか残したくて、うどんやそばにのってるピンクの蒲鉾をのせてます。
その当時、製麺なんかできるわけもなく、製麺屋さんが国産小麦とうたっていた麺を使ってました。

客は1日4、5人
オープンして3日間は駅前でチラシまいて、ラーメンとライスの定食とかけそばとをワンコインで提供したら、1日200食でました。
「ラーメンってぼろいな」とか思いながら、ひとりでへとへとになるまで仕事をこなして。
それが終わったら、お客さん来なくなりました。
ひと月後には、1日4、5人にまで落ちた。
でも、苦しいとは思わなかったですね。
ぜったいいつかはなんとかなるやろう、そう思ってました。
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武蔵野スローフード宣言!
by 岩澤正和(ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ オーナー)

第12回 「都市で農業をする意味」

飢えをしのぐための窃盗は犯罪ではない!?
あけましておめでとうございます
前回は都市農業と社会の仕組みでしたが
イタリアにて自分が感じた食を通した社会のお話です
最初は堅いお話から

2013年に「何も食べられないような苦しい状況で、少量の食べ物を盗むのは犯罪ではない」 
という判決が、イタリアの最高裁判所で下された事はごぞんじでしょうか?
「最高裁判所は、とても大切な原則を示しました。飢えをしのぐための少量の窃盗は、
犯罪に相当しない。生きるためには食べる必要があるのです」
色々問題は多々あると思いますが
日本ではこのような判決はでないのではと個人的には思います

貧しい人がコーヒーを飲める仕組み
イタリアではカフェ・ソスペーゾ(Caffe sospeso)という仕組みがあります
イタリア・ナポリのバールには、
一杯のコーヒーを飲むときに良いことや幸せな時に二杯分の代金を支払い
貧しくてコーヒー代も支払えない人のために使ってもらうという制度がある

その前例から東欧でも拡大、定着しつつあり
このシステムに倣い、2015年夏にイタリア国内の数百店舗では、
貧困家庭の子ども等にアイスクリームを無償提供するプロジェクト
「保留アイスクリーム」が実施されている

日本では子ども食堂など行政やボランティア等が連携を取り
同じような取り組みが行われていますね
ただ僕らみたいな商店の協力を使っていないことが多々ありまして
近年ではヨーロッパも日本も歪が出ているような気がします
ヨーロッパのシステムでは景気が下がると衰退の傾向になり
日本だと税金とボランティアの力が必要で
ボランティアからの継続が難しい声などをよく聞く

麦を通じて貧困への支援ができないか?
でも本当に難しいことなのかなと考える事が最近多々あります
このコラムを読んでくれている方々が連携を取り
各自が無理をしなければ結構いけるんじゃないかなと
日本の貧困は意外と隠れているが
支援が必要な子供たちは年々増えているようです

自分の考えはさておいといて
これを読んでくれた方々から意見をもらって
麦を通した一つの小さなプロジェクトができたらなーと思って書いてます
それが全国全世界に広がったらワクワクしませんか?

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片根大輔がズバリ答える!
カタネQ&A

○質問1
1 パンをいただくといつもナッツがとても香ばしく、美味しいなと感じるのですが、ナッツ類の取扱に関してこだわりとかあれば教えてください。(グルグルベーカリー・平田亮さん)

◯回答1
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

正月休みで台湾来ているのですが、こっちのピーナッツはとても美味しいですよね。なにか違いがあるのか、それとも日本でこんなにピーナッツを食べる機会がないので、もしかしたらピーナッツがとても美味しいだけなのか。ピーナッツといえば「みそピー」は子供の頃から好きでよくご飯にのせて食べてたけど、はたしてあれは美味しかったのか?上手に作ればパンにもとても合いそう。(注.ピーナッツがナッツではないことは知ってます!)

まあそんなことはさておき、質問の答えです。もちろん素材選びが重要ですが、それ以外に保管の温度管理をしっかりすることと、ナッツを朝ローストしてその香りを生地に閉じ込めるイメージですぐに仕込みに使うことは意識してます。

○質問2
毎年フランスに行っておられますが、一番好きな街はどちらですか? またその理由も教えてください。

◯回答2
最近行った中ではジュラのアルボワがとても気に入りました。町の規模感も丁度良いし、ビストロやワインバー、エピスリーなどオーガニックの割合がとても高いのも居心地よかった。

○質問3
ご夫婦でお店をなさると、いわゆる会社員の方々とは比較にならないくらいの時間を二人で共有することになると思うのですが、円満の秘訣はなんでしょうか?

◯回答3
世の中には本当にいろいろなタイプの夫婦がいて、それぞれのバランスの上に生活が成り立っていると思いますが、僕の場合のそれは、もちろん奥さん大切にすること、なんでもよく話をすることです。平田さんも夫婦の仕事の時間を楽しんでくださいね!!

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栄徳剛の勝手にお宝鑑定団 

鑑定no.023 
アルカリ温泉成分 温素 -ONSO- (アース製薬)
販売価格500円前後 
薬局各店
*価格は、2019年1月時点のものです。
お風呂は、一日2回は入ります。そんな風呂好きなワタクシがオススメする入浴剤No.1は、アース製薬さんの温素です。
アルカリ芒硝湯の感触を活かすため着色料は、不使用。ストレート勝負な無色透明な湯です。
包み込む優しい大樹の香りでリラックス。
今日もお疲れ様
良い仕事のご褒美に。
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新麦ニュース
2018年12月

■十勝・中川さんのキタノカオリヤングの話

昨年、十勝はまたも小麦の不作に見舞われました。
中川農場もその例に漏れません。
種まきが2週間遅くなって冬枯れが出て、根にダメージがあった上、開花期(6月頃)に曇天が1ヶ月つづいたせいで、小麦色にならない緑のままの粒が、穂の中に数粒残った状態になりました。
キタノカオリに選別をかけたあとの小粒のものに特に多く混じっていたので捨てようとしていたところ、「小麦を捨てちゃうんですか?」と中川農場に手伝いにきていたウーファー(有機農業を振興する団体WWOOFを通じて派遣された研修生)の方が声をかけたそうです。
小麦を捨てずにパンにしてみると意外なおいしさがありました。
「キタノカオリヤング」と名付けられ、それを聞きつけた八王子のチクテベーカリーに引き取られました。
キタノカオリヤング
チクテベーカリーの北村千里さんはこのように言います。

「抹茶や草のような、和っぽい青々しい香り。
ふくらむ力も強くも弱くもなく。
いちばんおいしかったのは焼きたて、粗熱がとれた状態。
でも、時間が経つと消えちゃうんです。
すごくはかなくて。
焼いた当日がおいしい」

生産者だけが背負いがちな小麦生産のリスクを、実需者の工夫で少しでも減らせたらという思いがそのパンには込められていました。

そんなおいしさを持つ青い小麦ですが、いまの農業制度では規格外となり、ほぼ流通することがありません。

「お米だって、青米といって緑色の粒が含まれているのがおいしいと言って食べる人がいます。おいしさではなく、とにかく見た目や成分値ばかりで判断されがちな等級検査(補助金の額の算定基準となる)に一石を投じられれば」と中川農場の中川泰一さん。

生産者と実需者が業界の垣根を越えておいしさをきずなにしてつながりあえば、ブレイクスルーを起こせるのではないか。
キタノカオリヤングは小さい試みでしたが、そんな希望を抱かせてくれました。